「それに、行った方が都合が良い」
「……え?」
「ちょ、聖!?何処行くの!?」
笑みを浮かべたまま踵を返した聖を、困惑した表情で追い掛ける五人。
「聖、さっきのどういう意味だよ!?」
来た道を気だるげな足取りで戻る聖に、冬威が訝しげに問い掛ける。
すると、聖はついさっきまで居た丘の上で立ち止まり、BDの喧嘩相手であろう男達と対峙している彩未に目を向けるとポツリ、一言呟いた。
「そのままの意味だよ」
「そのまま?」
「そう。そのまま」
そう言った聖は横目で五人を一瞥し、再び彩未の方へと視線を滑らせる。
それが何らかの合図だという事に気付いた五人は、同時に聖の視線を追い掛けた。
「彩未っ!」
「チッ」
輝一達が見たものは、彩未が一人で数人の男達に立ち向かっていく後ろ姿。


