「……“意志”?」
「そう、“意志”」
その“意志”が朱璃ちゃんにはなくて私にはあるっていうの?
「俺は“守られてるだけの女”じゃなくて、“同等に歩んで行ける女”を探してたんだよ」
「………」
「それがアイツを求めた“理由”」
“守られてるだけの女”じゃなくて“同等に歩んで行ける女”。
──確かに、朱璃ちゃんはどちらかと言えば“守る側”の人間で、士騎や綺人と並んで歩くような子ではない。
でも、それは私にも言えることだ。
私は、“守られる人間”でもなければ“同等に歩んで行ける女”でもない。
自分の“目的”を果たすためだけに忍び込んだ“低劣な女”。
「それに──」
士騎が続けようと言葉を発した時だった。
遮ったのは、外へと通じるドアの音。
「あ、レイさん!もう来てたんですね!」
一番最初に入ってきたのは、無邪気に笑う朱璃ちゃんだった。


