白銀のヴィーナス



“綺羅”のアジトに忍び込んだあの時、私は幹部達に報告されるのを覚悟で彼等の前に姿を現した。


“綺羅”のアジトで見知らぬ二人組が現れたとなれば幹部達に報告するのは当然の事。


だから、それについて報告されるのは別に何とも思わなかった。


でもまさか、色恋話まで伝わってるなんてね。ビックリだ。



っていうか、普通、女口説きましたとか幹部達にいちいち報告する?


しないでしょ!




……あー、ホント、“彩未”じゃなくて良かった。


だって、彩未だったら気まず過ぎてとてもじゃないけど此処にはいられない。






「ねぇねぇ、士騎くん。その子ってどんな子?可愛い?」



士騎を振った女に興味を持ったらしい唯斗が、ランランとした目で士騎にそう問いかける。



……ちょっと待って、この話まだ続くの?


まだまだ続きそうなこの話題に、ゲンナリ。



「あー、そうだな。背格好はレイと似てるな」



そんな憂鬱な私に追い討ちをかけたのは、天井を仰ぎながらそう言った士騎だった。