目が合った瞬間、ギクリ、と心臓が音を立てた。
……まさか、“レイ”だとバレた……?
探るように目を細めた士騎に下唇を噛み締めた───その時。
タイミング良く落とされたのは、BARの照明。
輝一だ。
照明が落とされるのを知っていたのは私だけだったせいか、照明が落とされた瞬間、室内が騒然となった。
近くにいた士騎からも息を呑む音が聞こえ、私はその音を頼りに半ばヤケクソ気味に右手を伸ばす。
「何す──」
「いいから来い!!」
士騎の言葉を一刀両断して、乱暴に掴んだ士騎の腕を思いっきり引いた。
バレたかどうかなんて今はどうでもいい。
とりあえず今は此処から出ることの方が先決だ。
真っ暗闇の中、立ちはだかる“綺羅”を押し退け、出口である裏口を目指す。
「……っ」
扉を開けた瞬間、私と士騎を優しく包み込んだ月夜の眩い光。
思いの外眩しくて、一瞬その場に立ち止まった。
けれど。
「裏口から逃げたぞ!!」
「……っ」
背後から聞こえてきたその声に再び足が動き出した。


