白銀のヴィーナス


それにしても、ここ広いな。


ライブハウスとしても使用されているこのBARは入り口付近にカウンターがあり、奥には古びた外観からは想像出来ないほど豪華で大きなステージがあった。


メインホールとなる一階、そして、吹き抜けになった二階。


その広さから推測するに、500人は余裕で入ることが出来るだろう。



っていうか、此処が本当に“綺羅”の溜まり場なの?


普通にBARとして営業してそうだけど。





──なんて、呑気に考えていたのがいけなかったのだろうか。



「……オイオイ。マジかよ」



“綺羅”の背後から新たに現れたのは、数十名の男達。


いや、“綺羅”の背後だけじゃない。


綺人と士騎の背後にも同様の人数が迫っていた。





「……チッ」



そういうことだったのか。


どうやら黙って睨み合いを続けていたのは“コレ”が狙いだったらしい。


綺人と士騎を挟み撃ちにし、逃げ場を無くしてトドメを刺す。


それが、“綺羅”の狙い。



ここまで用意周到だったということは──



「罠、だったのか」