「……必要ならね」
そう、このマスクは“もしも”の時のため。
万が一顔を合わしたとしても、このマスクをしていれば顔を見られる心配はない。
まぁ、化粧もしてることだし、見られたとしても“レイ”だと気付かれることはないだろうけどね。
用心するに越したことはない。
「分かったよ。そん時は俺も協力する」
「ありがと。そうしてくれると助かる」
コツンと拳を合わせて、同時に視線を彼等の元へ戻す。
睨み合っているだけで一言も言葉を交わさないBDツートップと綺羅。
まさに一触即発といった雰囲気は、離れた場所にいる私達にも十分すぎるほど伝わってきた。
私と輝一が身を潜めているのは二階の右端。
カーテンで仕切られているそこは、機材やらテーブルやらで埋め尽くされていて、侵入者である私と輝一が隠れるには持って来いの場所だった。
裏口が開いていて本当に良かったと思う。
じゃないとこんなに近くで見れないからね。


