白銀のヴィーナス


自分がトップだと言わんばかりにふんぞり返り、数十人の下っ端を背後に従えているシルバー頭の男。


あの偉そうな男がトップじゃないのなら一体誰がトップなのか聞いてみたいものだ。



「あの男、藤堂 雪弥(トウドウ ユキヤ)っていうんだってさ」

「……へぇ」



藤堂 雪弥、ね。



「その後ろにいる奴等が“綺羅”の幹部達?」

「……さぁ?」



それは分かんないのか。


まぁいい。

綺人達も“綺羅”に接触したことだし、明日“綺羅”について話し合いするだろうからその時聞いてみよう。


それよりも、今はこの状況をどうするのかの方が気になる。



っていうか。


「これってどうなってこうなった訳?」



さっきの綺人の表情から察するに、これは綺人達にとって“想定外”のことだったに違いない。


じゃなきゃ普段無表情の綺人があんなにも焦らないだろうし。



「なんでかは分かんねぇけどBDの方が不利なのは確かだな。“二人”しかいねぇし」

「……二人?」



クイッと顎で促され、士騎の方へ目を向けると。


「あんの馬鹿っ」



視線の先には士騎に近付いていく一人の男がいた。


それは隠れて様子を窺っていた士騎の片割れ、綺人。