白銀のヴィーナス


でも、輝一の言う通り、私が除け者にされている可能性はあった。


だって、私は最近BDに入った新参者。


仲間意識が生まれるにはまだ日が浅すぎる。



「冗談だって。そんな顔すんなよ。……って、彩未、」

「……なに」

「アイツ、様子が変だぞ」

「……様子が変?」



おちゃらけた声色から一変し、突然切羽詰まった声で私を見下ろす輝一に眉根が引き寄る。



……何かあったの?



輝一の言う通り、綺人の様子がいつもと違った。


焦ってるというか、険しい表情で口論しているように見える。



「彩未、アイツ動き出したぞ?」



──どうする?


そう問い掛けてきた輝一に私は一言だけ返した。



「追い掛ける」



それは“Black Deity”の“レイ”としてなのか“Lien”の“彩未”なのか。


どちらかは分からないけど、綺人を追い掛けなければいけないと“本能”が感じ取っていた。



「了解」


小さく頷いた輝一に目配せをして、私達は行く先の分からない闇路へと一歩足を踏み出した。