あれから、朱璃ちゃんに自己紹介をした私達は時間も遅いからという理由で早々に解散した。


朱璃ちゃんは綺人が車で送ると言ってくれたからお願いして、私は公園で待ってくれている聖達の元へと急いだ。


本当は私が送って行きたかったけど、聖達の事もあったし、

何より、バイクより車の方が安全だと思ったから綺人の申し出を快く受けた。



また追い掛け回されたら可哀想だしね。


明日も来るって言ってたし、会ったら昨日は送れなくてごめんねって謝ろう。




「じゃあ、何かあったら電話して」

「分かった」

「……気をつけてね」

「んな顔すんなよ。お前等がいないぐらいでやられたりしねぇから」

「うん」



そうだよね。みんな強いから大丈夫だよね。






笑顔で手を振るみんなを見送って、私と輝一も目的地に向かって歩き出す。



「“綺羅”いなかったらさっさと聖達の方行こうぜ」

「……輝一、喧嘩したいんだったら向こう行ったら良かったのに」



両腕をぐるんぐるん回す輝一にハァと溜め息を零す。


すると、



「彩未一人だったら危ねぇだろうが」



輝一は不満げな顔で私の頭を軽く小突いてきた。