【プレゼント】



白雪「七世くんにさぁ……何あげたらいいかな」


桜子「……あいつ誕生日か何かだっけ」


白雪「ちがうよお! ク、クリスマス……」


桜子「あー、そっちか」


白雪「いろいろ見て回ってるんだけど……なんだか、よく分かんなくなってきちゃって」


桜子「"私がプレゼント♡彼のハートを狙い撃ちメロメロズッキュン大作戦"とかはやめた方がいいと思う」


白雪「や、やらないよ……! 桜子わたしのことどんなキャラだと思ってるの!」


桜子「七世のためなら手段を選ばない女」


白雪「まぁ……間違ってはないよね」


桜子「あんなやつにあげるものなんて何でもいーじゃん」


白雪「よくないよー! 桜子中学から一緒でしょ、七世くんが何か好きなものとか……」


桜子「別に格別に仲がいいとかじゃなくて、ただなんとなくつるんでただけだし……好きなものー?」


白雪「うん」


桜子「あたしより白雪の方が知ってるでしょ、彼女なんだし」


白雪「彼女だよ……彼女……うん、彼女……。え? 彼女? かのじょ……わたし七世くんの彼女でいいんだよね!?」


桜子「どうしたのよ急に……! 彼女でしょ!? 付き合ってるんだから」


白雪「わたしだけが付き合ってるって思ってたらどうしよう……イタイ女だわ」


桜子「何が白雪をそうさせたの……? 今さらそれはないでしょう」


白雪「だってわたし彼女なのに七世くんの好きなものも知らないんだよ」


桜子「……ま、まぁ……七世も七世であんまり自分のこと主張するタイプじゃないし」


白雪「不安だなぁ……わたしばっかり七世くんのこと好きみたいで」


桜子「そんなことないでしょ、自信持ちなさいあんた可愛いわよ」


白雪「うぅ……ありがとう……桜子も暴力的だけど可愛いよ」


桜子「一言余計ね」


白雪「ずっと大好きだった人とさぁ、付き合えて……嬉しいんだよ。すごくすごく嬉しいはずなんだけどなぁ……」


桜子「……うん」


白雪「なんだろう……モヤモヤでもないし、チクチクでもないし……だけど、どっかに違和感があるの」


桜子「違和感?」


白雪「うん。自分でも良く分からないから、なんで? って聞かれちゃうと答えられないんだけどね」


桜子「……そう」


白雪「もう少し考えてみよう……プレゼント」


桜子「そうね。まだ時間はあるから」


白雪「桜子もプレゼント買うなら付き合うよ」


桜子「は? だ、誰によ……」


白雪「えー、わたしの口から言わせるの?」


桜子「何よお! あたしはプレゼント買う相手なんていないわよ……!」


白雪「ふふ、そう?」


桜子「そうよ」


白雪「じゃあ、そういうことにしておきます」


桜子「しておかなくてもそうなの」


白雪「頑固だなぁ」


桜子「あんまりいうと七世に白雪の寝顔の写メ送るからね」


白雪「えぇ! やめてよ! ていうかいつ撮ったの!?」


桜子「えー、教えない」


白雪「桜子のバカー!」