【みかん】



桐生「悪いな、昼休みなのに来てもらっちゃって」


桜子「いいのよ、どうせ今日までに終わらせなきゃダメだったんだし。資料の集計これでいい?」


桐生「うん、ありがとう。ミスもないみたいだし本当助かる」


桜子「生徒会の役員なんだから当たり前でしょう。別に会長1人でやらなきゃいけないわけじゃないんだから」


桐生「うん、あ、そうだ。良かったらこれあげる」


桜子「何この袋? えっ、みかん! しかもいっぱい!!」


桐生「親戚から送られてきたんだけどうちじゃこんなに食べれないし、良かったらもらってよ」


桜子「えー! いいの? おいしそうなオレンジ色ね」


桐生「友達とかに分けてもらってもいいし」


桜子「あはは、馬鹿たちが喜ぶわ(笑) ありがとう。もらうね」


桐生「うん、じゃあまた」










白雪「あ、おかえり。わりと早かったね」


桜子「ちゃちゃっと済ませたからね。はい、おみやげ」


春太「え! なになに?」


桜子「あんたにじゃないわよ! 違う机からわざわざ来んな!」


真白「あ、みかんだー! おいしそう」


桜子「会長からもらったの。真白も七世も食べていいわよー」


真白「わーい!」


七世「ラッキー」


春太「またそうやって俺をハブるつもりだろ! あーぁ、いいのかなあ。仲間はずれとかあ。先生に言いつけちゃおっかなあ」


桜子「小学生か! ったく、食べれば」


春太「イェーイ! みかんゲットー!」


七世「……あ、酸っぱいのにあたった」


白雪「あらら、わたしの甘いよー。はい、半分あげる」


七世「じゃあ酸っぱいのも半分あげる」


白雪「あ……ありがとう」


真白「おいしいねー、後で会長さんにお礼言わなくちゃ」 
 

春太「あれだよな、モミモミすると甘くなるって言うよな」


桜子「ちょ、ちょっと……言い方考えなさいよ! 普通に揉むって言えばいいでしょう!?」


春太「えーなんで? 別にモミモミでいいじゃん? え? なに? 桜子なに考えてんの?」


桜子「はぁ!? う、うざ……!」


春太「やだぁ、モミモミになんか反応してるー。ヤダー、エロいー、不潔ー」


真白「この人今日はいつにも増して小学生だ……」


桜子「黙らないとその目ん玉の真ん前でみかんの皮ひねり潰すわよ」


七世「みかんの汁目に入ると尋常じゃなく痛いよな」


春太「……だ、黙ってます」


桜子「いつまで?」


春太「……永久にです」


桜子「よろしい」


真白「……女王みたい」