自分で言うのもなんなんだけど、宙斗の方が初めにあたしにハマってくれてたっぽいもん。あたしは、気になってはいたんだろうけど、あの罰ゲームで宙斗と付き合うようになるまで、自分の気持ちに気づかなかった。
………苦手だと思ってたんだもん…。
だけど、最近、ハマってるのは……
あたしのほうだ。
宙斗の言葉、仕草、表情。
その全てにどきどきしている。
「…なんか、あたしだけ好きみたいじゃん………」
だから、あんなに余裕な宙斗を見ると、不安になっちゃうんだよ。
もしかしてあたしのこと、遊びなのかな、って。
「宙斗……」
随分小さくなった宙斗の背中に、声をかける。
そして、ふぅっと溜め息をつき、あたしは家の中に入った。

