「じゃあ今日一日、ゆっくりしてるんだよ」
「わかってます」
「それじゃあ」と微笑みながら、先生は出ていった。
胸がバクバク…と鈍い音を立てる。怖い。ねぇ、どうして教えてくれなかったの?
私の生きる時間は、あと数時間なの?
わかる人、教えてよ…。
私はいつ死ぬのよ。いつ心臓が止まるのよ。
……わかってるなら、教えて。
手も足もガクガクと震えてる。手を握ったり開いたりして、自分で力の強さを確かめてみる。
「弱い……」
弱いのはわかってる。随分前から感じていたこと。
でも、私には「弱くなった」ということしかわからない。細かい変化なんて、わからないよ…。



