君とさよならの時間 ~大好きの涙~






 ギュ……と、気づいたら葉上を抱きしめていた。




 ベットで上半身だけ起こして、話してくれた彼の背中に腕を回して、弱い力で優しく抱きしめていた。



 彼が持っていた漫画はポロ…とベットに落っこちて、「愛美…?」と声を出す。







「泣いたら、いいと思う」


「…は……?」





「こういうときこそ、笑っちゃダメだと思うんだ。

 泣いても、いいよ。私、泣き顔見る趣味なんてないから。安心して、泣いて」







 独りというのは辛くて。寂しくて。


 独りになったことがある人だからわかる、“涙”がある。




 言ってほしかったんでしょ?「泣いてもいい」って。





 私も同じだから、なんとなくだけどわかるよ―――――……