君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 玄関から真っ直ぐ行って一番奥の部屋がリビング。左側の奥から二番目の部屋が彼の部屋。――それ以外なにも知らなかった私は、とりあえずリビングへ行くことにした。



 テレビで見たことある。リビングのところにキッチンも一緒にあるってやつ。ここももしかしたら、…いや絶対そうなってると思う。これは確信に近い予想ね。





 リビングに行くと、右側にやっぱりキッチンが。やっぱり私の思ったとおり♪





「さて、お粥、作りますか」




 ずっと手に持っていたメモ用紙を見て、材料があるか冷蔵庫を見て確認する。




「…うん。全部ある」



 そして必要な材料を出し、メモに書かれたとおりに作り始める。







 ――――「で、できた!」と、額からにじみ出ている汗を腕で拭き取ってから、私はふぅ~、と息を吐きだした。つ、疲れた…。料理なんて生まれて初めて。なんか今日は、「初めて」のことが多いな。


 ドアホンもお見舞いもお粥作るのも。



 私にとって、貴重な体験。生きてるときにできてよかった…。