君とさよならの時間 ~大好きの涙~





「濡れてる……、寒くない?」




 ハンドタオルをスカートのポケットから出し、彼の額の水を拭く。





「寒くねぇよ」



「本当?」



「あぁ」






 ごめんなさい。私を助けてくれて、ありがとう。私のために、ありがとう。





「どうして、ここへ?」



「お前探してたら、ここにいた」



「なんで探してたの?」



「お前に会いたくて」



「……!」




 葉上にはわかっちゃうのかな。私が言われたい言葉。ずっと言われたかった、「会いたくて」って。