「大丈夫か?」
優しい口調に変わった彼。
「………っ、ご、ごめんなさい!!」
ずぶ濡れの葉上を見て、私はとっさに謝った。頭を深々と下げ、何度も「ごめんなさい」を繰り返し言った。
私のせいだ。私のせいで、迷惑かけたんだ。私、どうしたらいいの…?死ねば、許してくれる?
「愛美こそ、大丈夫なのかよ」
「わ、私は……別に…」
葉上が私の名前を叫ぶようにして呼んでくれたから、震えも止まったし。心配される立場じゃないし。
それに、助けてくれた。そのことが嬉しくて、幸せで。
「大丈夫」って言葉を初めて言われて、目頭が熱くなった。



