「今担当してるのって……幸ちゃんだっけ?」


「はい。そうです」


「愛美ちゃんと同じ病を抱えてる女の子、だよね」


「……はい。




 でも俺は、絶対死なせません」



「…頑張ってください。葉上先生」



「はい。もちろんです」






 俺が医者になりたかった理由。



 それは、もちろん愛美とつながってられる唯一の仕事だと思ったのもあるけど。




 一番は、愛美みたいなやつを自分の手で助けたいと思ったから。







 頑張って“今”を生きてるやつを、そう簡単に死なせたくねぇ。







 だから俺は、医者になったんだ。