君とさよならの時間 ~大好きの涙~






「藤井先生、ありがとうございました」




 俺は深々と頭を下げたながら言った。





「僕はなにもできなかったよ」



「いえ、そんなこと」



「愛美ちゃんと出会ってくれて、ありがとう」






「俺のほうこそ『ありがとう』ですよ。

 俺のほうが、愛美と出会って変われましたから」







「そうか」



「はい。






 ……じゃあ、俺、帰ります」




「帰るのかい?」