――次の日の朝。 トントンッと軽くノックしたあと、扉が開かれた。 入ってきたのは、藤井先生だ。 「……ふじ…い……せ、せ……」 「なんだい?愛美ちゃん」 「紙…と……ペン…を……く、だ……さい……」 「紙?わかった。今とってくるよ」 神様。ありがとうございます。 今まで、たくさんの時間をくださって、ありがとうございます。 あと数時間の命、大切にします。