「愛美ちゃんも幸せだね」



「…え?」





「君みたいな、真っ直ぐな人に愛されて。


 僕も嬉しいよ」






「それじゃあ…!」



「会ってきな。愛美ちゃんに」




「あ、ありがとうございますっ!!」




 もう一度頭を下げてから、俺は愛美の元へと向かった。









「愛美ちゃん、よかったね。好きな人ができて。愛美ちゃんを好きになってくれる人と出会えて」




 一人になった藤井先生が独り言のように呟いた言葉は、誰にも聞こえてなかった。