「葉上」 私は葉上の隣に座り、葉上の顔を見ずに言った。 「……好きに、なっちゃったの」 「は…?」 「葉上のこと、好きになっちゃったの」 「知ってるよ」 「本当はいけないのに。好きになっちゃったの。 でも葉上は私のことを好き、って言ってくれた。 ――ありがとね」 「なに今更言ってんだよ」 顔を赤く染めた葉上。私は、海を眺めながら、葉上に言った。 「ありがとう」