「着替えたか?」 「き、着替えたけど……似合わないよ、私」 私はゆっくりと試着室のカーテンを開けた。 ヒールに慣れてなくて、よろめきそうになる。 「っ大丈夫かよ」 そこを、葉上が私の腕を掴んで支えてくれた。 「あ、ありがと…」 「似合ってんじゃん。可愛い」 「………ありがとぉ」 さらっと「可愛い」とか言っちゃうんだよね、葉上。 恥ずかしさを微塵も感じない。 ずるいよ、葉上。 私ばっかりドキドキさせて。