――ある日の朝。 「愛美ちゃん、調子はどうだい?」 「……前よりは、全然よくなりました」 「そうか。それはよかった」 ごめんなさい。先生。 私、初めて先生に嘘をつきました。 今日だけ、今日だけは…許して。 「学校、行ってもいいですか?」 「あぁ。 今日で最後かもしれないけど」 ポツリと呟いた先生の言葉を、私は聞き逃すことができなかった。 『今日で最後かもしれないけど。』 最後……か。なら、その最後の学校を楽しんでこようじゃないか。