君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 弟……恋次は、ちゃんと“普通”な日々を送ってる。


 きっと彼女もいるだろう。だって、こんなかっこいいんだもん。




 そう思うと、安心しちゃったんだ。







「よろしく。恋次」





 人生二回目の握手を、恋次とした。


 やっぱり握手はあったかくて、生きてるって思わせてくれた。





「……あ、そうだ。


 私、お母さんに聞きたいことがあったの」




「聞きたいこと?」









 聞きたいこと。たくさんあるんだ。



 お見舞いにどうして来てくれなかったのか。


 来ても、顔を見せるだけだったのはなぜか。