君とさよならの時間 ~大好きの涙~




 案内されたのは、リビング。



 大きなテレビがあって、三人座れる白いフカフカなソファに私は腰掛けた。





「…まさか、来るなんてびっくりだわ」




 私の隣に座ったお母さん。



 弟は、私とお母さんが座ってるソファの斜め右にある二人座れる白のソファに座った。





「生きてるうちに、会いに行こうって思ってね」


「……生きてる、うちに……」





 弟は、私の言葉を聞いて顔を青くした。





「そういえば、私、弟の名前知らないわ」



「え、そうだったの?」



「そういえば言ってなかったわね」






「俺の名前は、恋に次で、恋次【レンジ】。よろしく、姉ちゃん」





 まるで犬のような、人懐っこそうな笑顔に私は少し安心した。