君とさよならの時間 ~大好きの涙~




 

「母さん、ちょっと外見てよっ!ほら」




 お母さんを無理やり玄関に連れてきた弟が、私をお母さんに見せた。





「…愛美……っ」


「お母さん…?」





 しわはあまりなく、茶色の髪に染まってたお母さん。


 まだ若いね。茶色だったの?髪。




 初めてお母さんを見た気分だった。






「―――上がって?愛美」



「え、いいの?」



「えぇ。もちろんよ」






 エプロン姿のお母さんにそう進められ、私は家に入った。




 家の中もやっぱり綺麗だった。