―――キーンコーンカーンコーン、と放課後になる合図が響く。





「……もう、放課後か」




 校舎裏で寝ていた私は、欠伸をひとつしてから教室へ行った。





 トタトタトタ…と私の足音だけが聞こえる廊下。





 葉上は、三限が終わって「俺屋上行くわ」と言って、私の前から去っていった。







「独りは、悲しいものね」





 久々に学校で感じた“孤独の時間”は、いつもよりも悲しかった。





 いつも、葉上が隣にいてくれるからか。こんなに寂しくなるのは。


 独りは慣れてるはずなのに。




 いつの間にか、壊れてたみたい。


 私の“孤独”に慣れた心が。