どうやら自分が特別だと知ったのは、友達の誕生日会にお呼ばれした時だ。

友達の家には、襖(ふすま)に障子にドアに引き戸、あらゆる仕切りがあり、部屋が部屋として区切られているではないか。

このドアの向こうで、あっかんべー‼をしていても、誰にもバレない。

でもこの時、あたしが思ったのは、ドアの向こうで倒れていても、誰にも気づいてもらえないんだなぁ、て。

友達の家には、お父さんとお母さんしかおらず、思わず、これだけ?と言ってしまった。

その日、家に帰ると、何人にマホ‼と呼ばれ、キスとハグをされただろうか。

しかし両親は、あたしの誕生日には、それはもう、恥ずかしいくらい盛大に祝ってくれた。

ちょっとした地元のお祭りレベルだ。