キャンパスの外に停めてあったインパラにエスコートされたクレアは、もはやヘアスタイルの事などすっかり忘れていた。 寧ろ、オープンな車体の開放感と海岸沿いの風が心地よく、更には“優越感”すら感じていた。 優越感の理由はもちろん車でもなく、リゾートハウスをぬって走るコースでもない。 彼の隣に居るからである。 二人はスペイン調の街並みを背景に、更に風を浴びた。