メンバーの中でタカトシが好きだという彼女とは、Shooting starを通じて仲良くなった。


彼女には、私はカナタのファンだということのみ伝えている。


そんな彼女は、アイドルが好きだということを周りに余り知られたくないんだって。


「森川さん、ちょっと未紗借りるね」


急に手を引かれ、廊下に連れて来られた。


「どうしたの?」


聞くと、百合子は小声になる。


「ファンクラブに入ったの」


その言葉に私の脳がうごめいた。



「ひょっとして、Shooting starの?」



「イエスッ」



ピースサインをして満面の笑みを浮かべた。


人気が高さから、ファンクラブに入会しなければライブのチケットがとれないのだ。


私は入会していないけど、これでライブに行ける確率があがった!



「やったね」



私たちのハイタッチの音が宙で響いた。



この日本で、最も輝いている星Shooting star。


その中に“彼”もいる。



思えばとても遠い人。