『つまり、俺への愛の形の延長線上にあるのが、大樹への愛の形』
「…は?…何言ってんのか分かんねぇ…」
隣に座る紫は、真剣な目をして聞いていたが、
画面を見ながら首をゆっくり横に傾けたから、
こいつも話しの意味を理解してねぇな。
画面の中のあいつが机の上で組んでいた指を外し、右手の人差し指を顔の前に出した。
繊細な指先で、左から右へゆっくりと宙に直線を引く。
『分かりやすく説明するとね…まずは無色透明な一本の直線を想像してみて。
そうしたら次に、直線の左の先端を青く染めて』
急にお絵かきタイムか?
そんなの俺じゃなく、チビにやらせろ…
なんて思ったが、頭の中には自然と絵筆が現れ、透明な直線の左端を、青く塗ってしまった。
『想像できた?
直線の左端に塗られた青色。
その青は、紫が俺に向けていた愛情を表すカラー。
姿を見ると時めいて、声を聞くと喜びに支配され、見つめ合い触れ合うと時には欲情して…
そんな恋愛色の強いカラー。
まだ直線を消さないで想像を続けてね。
その左端の青色は右に進むに連れ、緑色を帯びてくる。
青が青緑になり、最終的には夏の陽射しを浴びる木々の葉の様な、鮮やかなグリーンになるんだ』
今度は緑かよ…
「こいつの話しはいつも面倒くせぇ…」
と思いながら、想像の絵筆に緑を足した。
青があいつに向けてた紫の恋心で…
そんで何だっけ?
青が徐々に緑になって…
『青から緑にグラデーションの付いた直線。
左端の青は紫が俺に向ける愛情の色。
それでは、緑色は一体なんでしょうか?』
「またクイズかよ…マジで面倒くせぇ野郎だ。
話しの流れで言えば、緑は俺だろ」


