「おい…無理してこいつの頼み聞くことねーぞ。
俺は今まで通りの関係でいい。
気持ちのついて行かねぇ結婚なんて、お前が辛いだけだ。止めとけ」
「大樹…」
紫に俺への愛情がないから再婚は無理。
そう結論付ける俺を見て、困惑する紫を見て、流星は優しく諭(サト)す。
『君達が「うん」と言えない理由は分かっている。
けど、大丈夫だよ。
紫…君は大樹を愛している。
余りに近過ぎて、自然過ぎて、自覚出来ないだけなんだ。
紫は間違いなく、大樹を愛している』
流星は微笑みを強め、有り得ねぇ事をキッパリ言い切った。
黙って聞いていた紫は、一拍置いてから、俺に向けて聞き返す。
「……… そうなの…?」
「知らねぇよ、俺に聞くな」
つーか違うだろ、否定しろよ。
俺はお前にとって、幼なじみで親友で弟だろ?
それは生まれた時から今まで変わらねぇ…変えられねぇポジションなんだ。
仮に愛情があるとすんなら、それは家族愛だ。
流星に向けてた愛情とは全くの別物だ。
俺にとって、酷で、当たり前で、今更な事実。
それを再確認させられた気分でいらついてきた。
流星…てめぇ何の仕打ちだよ…
俺に対する最後の嫌がらせか?
あ゙?
テレビに向かってガンを飛ばした所で意味はねぇが、微笑みを崩さねぇあいつをつい睨んでしまう。
『君達は今、こう考えた事だろう。
大樹への愛情は、家族に対する愛情に近い。
紫が俺を愛してくれた様に、大樹を愛する事は出来ない』
「ああ、そうだよ。
何だよてめぇは…分かってんなら、余計な事言ってんじゃ…」
『それは違うよ。
もう一度言うが、紫は大樹を愛している。
そして…俺への愛と大樹への愛は、別物ではない』
「あ゙?」


