流星は絶対に答えが分からないと言いたげに、笑って見せた。
紫はあれこれ考えている。
流星が逝っちまっても書斎はそのままにしてあるが、
掃除はマメにしてるみてぇだし、紫なら何がどこにあんのかも把握してんだろう。
紫が考え込んでいる間、画面の中の流星は、微笑みながらただ静かに待っていた。
「えーと…どこだろう…
人目に触れない場所…家にそんな場所あるかな…」
書斎や寝室やリビングや…紫は頭の中で家中を探し回っているが、隠し場所に思い当たらねぇみたいだ。
「うーん…」と悩み、困った顔を俺に向けた。
「大樹、どこだと思う?」
「知るか。お前が分かんねぇのに、俺が分かる訳ねぇだろ。
流星、てめぇも勿体振らねぇで早く答えを言え」
面倒臭ぇからクイズにすんなと呆れながら、思い出していた。
そう言やあいつは、良くそんな風に俺にも絡んできたなと。
『〇〇と××、後一つは何だと思う?』とか
『分からないの?じゃあ大樹レベルに合わせた、二択にしてあげるよ』だとか…
マジ面倒臭ぇ奴だ…
画面のあいつに「早く言え、面倒臭ぇ」と文句を言いながら、ソファーに踏ん反り返る俺だが、
次の流星の言葉に驚き、姿勢を正すことになった。
『残念、時間切れ〜!
正確は……大樹の部屋だよ!』
「はあっ!?俺の部屋!?
知らねぇよ、何でだよ、いつ隠したんだ……あっ、あれか!あん時か!」
3年前の記憶に、思い当たる節はあった。
あん時に間違いねぇ。
このDVDを預かった2日後の昼間、歩くのがしんどいのにあいつはわざわざ俺ん家に来た。
用があるなら呼べばいいだろって言ったのによ、
あいつは紫色の唇で油汗を滲ませ、ヘラヘラ笑っていやがった。
そんで俺の部屋で「お茶持って来て」とか「やっぱコーラがいい」とか俺をこき使い、階段を何度も上り下りさせ、
結局何しに来たのか分かんねぇ内に「帰るから車出して?」と言われ、送らされた。


