「何だ?DVDか?」
「そう。それには俺のメッセージが入っている。
ビデオレターと言った方が分かり易いかな。
それを3年後に見て欲しい。
俺が死んで3年後に…紫と2人で見て」
その言い方が、まるですぐそこに死が迫ってると言ってるみたいで、嫌な気分になったのは覚えてる。
だから紫に内緒で、俺に渡して来るのだろうとも思った。
自分の死後に見ろなんて…
言われた方は苦しいから、紫には言えねぇよな……
「分かった。預かる。
でもよ、何でこれ見んのが3年後なんだ?」
「大樹のくせに、いい所に気付いたね」
「うるせぇ、余計なツッコミしてんじゃねぇ。
さっさと説明しろ」
「ハハッ それはね、1年でも2年でもまだ早いからだよ。
俺が死んで月日が経たない内は、これに込めたメッセージが反って、紫の心の負担になるだろう。
最初の1〜2年は紫は堪えるのに必死だと思うからさ…
だから3年が調度いい。
強く生きている彼女が、これを見て少し肩の力を抜いてくれたら…
それから新しい方向を向いてくれたらいいなと思ってね…
あぁ、紫だけじゃなく、君についても同じだよ」
「何言ってんのか、サッパリ分かんねぇ……」
「ハハッ ごめん。
確かに今こんな事言われても、分からないよな。
大丈夫。俺が死んで3年後に見れば、分かるから。
必ず2人で見てよ。頼むね大樹」
――――…
―――――……
3年前に流星が言ってた事の意味は、まだ俺には分からねぇ。
けど、これを見れば分かんだろ?
流星、見るぞ。
お前の注文通り、3年後の今日、紫と2人で見るからな。
ソファーの背もたれの後ろからは、相変わらず「すぴすぴ」言ってるチビの寝息が聴こえていた。
右隣に座る紫はまだ驚きの中、戸惑いも混じった顔して俺を見ている。
「これは…流星からのビデオレターだ…かけるぞ」
視線を紫から手元に移し、リモコンの再生ボタンを押した。


