ソファーの上に置いてあるのは、B5サイズの白い封筒。
それを開け、中から一枚のDVDを取り出した。
タイトルの書かれていないダビング用の真っ白なDVD。
それが納められてる透明のケースが、やっと出番がきたとばかりに、
薄暗い部屋ん中で、一瞬だけキラリと光った気がした。
「紫、こっちに来い。
今からこれ再生すっから」
ケースから出し、リビングのでかいテレビに繋がるDVDプレーヤーにそれを挿入する。
テレビの電源を入れ、リモコン片手にソファーに戻ると、
ソファーの後ろに立ち上がった紫が、呆れた声で俺に言う。
「何を持って来たのかと思ったらDVD?
映画でも録画したの?
何にしても今は駄目だよ。
紫龍が起きちゃうかも知れないでしょ?」
「寝っぺこきながら爆睡してんだろ。起きねーよ。
それにこれは、今日見ろって言われてっから」
怪訝そうな顔して、紫はチビの側を離れ、俺の隣のソファーに座った。
「今日見ろって…誰に言われたの?」
「流星」
「……… え…?」
紫は驚いて俺を見た。
それから詳しく聞きてぇみたいな面をしたが、何を聞いたらいいのか分かんなくなったみたいで、
戸惑いながら、アホみてぇに口を開けただけだった。
そう…これは、三年前に流星から預かった物だ。
―――――……
――――…
これを受けとったのは、流星が亡くなる一週間くらい前だった。
紫達が店で忙しく働いてる昼間、作業着姿の俺は流星に呼び出され、あいつの書斎にいた。
「忙しい所来てもらって悪いね、大樹」
「畑はまだ忙しい時期じゃねぇから別に構わねぇよ。何の用だ?」
「ん…これを紫に秘密で、君に預かってもらいたい」
そう言って流星は、机の上にあったB5サイズの白い封筒を俺に渡した。
触った感じで、中に正方形の薄く固い物が入ってんのが分かった。


