大樹…君は可哀相な奴だけど、面倒臭いは酷いと思うよ。
後で撮り直しさせないとね。
更にビデオを進める。
次は…
あ、この二人は多分、大ちゃんがロシアでお世話になっていた人達だ。
金髪碧眼の綺麗なお姉さんに、ラガーマン体型の変な日本人のおじさんが画面に映った。
このおじさん、我妻さんと言う人でしょ?
大ちゃんがやたら尊敬してるような事言ってたけど、僕には変なおじさんにしか見えない。
式の間も「ワハハ!」と笑いながら写真撮りまくり、ウロチョロ邪魔だったし、テンションが高すぎると言うか…
『リュウ、結婚おめでとう!
ん〜実にめでたい。
ハッピハッピハッピー!ワハハッ!
悩みまくった時期もあったけど、やっと自分の願望に素直になれたよなぁ。
いや〜良かった良かったワハハッ!
まさに“後の祭”…』
『バカ!それを言うなら“終わり良ければ全て良し”でしょ?
ミチロウ、日本人なのに、日本語間違えてんじゃないわよ』
『ワハハッ!さすが僕のアーニャ!
僕より日本語力あるんじゃない?
君の知的な所にもメロメロだよ〜
おっと、お祝いコメント中だった。
カメラ少女の紫ちゃんも結婚おめでとう!
花嫁姿の君は素晴らしく美しい被写体で、おじさん興奮して沢山写真撮っちゃったぞ!
君のPCに大量の画像を送るから、容量を確保しておいてくれ!ワハハッ!
君達は、本当に美しいよな〜
うんうん、お似合いのカップルだよな〜
だけど、美しさで言うと、やっぱり僕のアーニャの方が…』
『ミチロウ!お祝いの席で何を言ってるのよ!
花嫁が世界で一番美しいに決まってるでしょ?
あなたって人は、いい加減に場をわきまえる事を覚えて…
あら…ビデオ回ってるんだったわね、オホホ、ごめんなさいね。
おめでとうリュウ!
新婚旅行はロシアにしない?
今日は来れなかったけど、両親があなたのお嫁さんに会いたがっていたわ』
ふーん…
なんだ大ちゃん、こんな明るい人達に囲まれてたなら、ロシア暮らしも楽しそうじゃないか。
4年間心配し続けて、損したなー僕。


