山と積まれた熊のぬいぐるみ。
色や大きさに違いはあれど、俺にはどれも同じ顔に見える。
自分で選べと言いたいが、これ以上待たされるのは苦痛なので、適当に選んでやった。
「横山さんには、ピンクのこいつ。
佐藤さんには、モカブラウンのこいつ。
これでいい?」
「うん!さすが紫龍君!
この子とっても可愛い!
見る目あるね〜」
「紫龍君に選んで貰っちゃった!
一生、大事にするね!」
俺が買ってやるわけじゃないのに、二人は満面の笑みで、俺が選んだぬいぐるみを胸に抱く。
その姿に、不覚にもドキリとしてしまった。
女子って…
煩くて、面倒臭くて、ワガママな生き物だと思っていたが、
それだけじゃないのかも…
そんな恥ずかしいことを思ってしまい、顔が熱くなった。
二人に気付かれないように背を向けて、
「次行くぞ」
足早に店を後にした。
女子が行きたいと言った三つ目の目的地は、五稜郭公園。
幕末期、新撰組土方歳三が活躍した舞台として有名な、星型の城郭だ。
路面電車に揺られ、下車して数分歩くと見えて来た。
水掘に囲まれた緑豊かな庭園のような場所だ。
今までの二つの場所に比べると、ここは俺にも強い興味があった。
強いと言っても、食い倒れと天秤にかけ、落選した場所ではあるが…


