自由行動の全てを、食に費やそうとしている俺達。
旅の醍醐味は、やっぱご当地名物を食いまくることだろう。
「腹キツイ!」と言いながら、店をはしごして回っていると、
途中で女子二人が「もう食べ物屋さんは嫌」と言い出した。
テディベア・ミュージアムに行きたいし、
旧函館区公会堂で、レトロドレスの明治時代コスプレもしたいし、
新撰組ゆかりの五稜郭公園にも行きたいと言い出した。
「女子二人で行ってきたら?」
男4人が声を揃えて言うと、
「ひどいっ!」
と怒られた。
「女子二人を知らない町に歩かせるなんて、心配じゃないの?
ナンパされるかもよ?」
(されねーよ…)
「私達、方向音痴だもん。
迷子になって帰れなくなったら、男子のせいだよ?
それでもいーの?」
(何で俺らのせいなんだよ…)
「班行動は絶対でしょ?
てゆーか、紫龍君さえいればいいけど。
紫龍君と離れるのは嫌。
意味わかんない」
(俺らの方が、意味わかんねーよ…)


