軽快なクリスマスソングに合わせて、女子中学生20人と椅子取りゲーム。
はあ…俺…何やってんだろ……
全くやりたくはないが、賞品を与えたくないなら自分が勝つしかない。
しょうがないから頑張るか…と嫌々気合いをいれたが、
その時…
母さんが俺の腕に大地をボスッと押し付けた。
「まさか…大地を抱っこしながらやれと…?」
「正解!
大きなお姉ちゃん達に幼児が入るなんて危ないでしょ?
皆やる気満々だし、ふっ飛ばされてケガしちゃう」
だったら大地は参加しなくても…と思ったが、仲間外れにしたらキレるから駄目だな。
しょうがない、俺の頭で乗り切るしかない。
大地を抱えて勝つには…………………
椅子取りゲームがスタートした。
全員の人数より一つ少ない椅子を取り合うこのゲーム、
やる気と反射神経、体格、素早さが重要である。
音楽に合わせ半時計回りに歩いた。
回りながらみんなの目線が向く先は、CDコンポのリモコンを持つ母さんの手に集中している。
ニヤリと笑う母さんが、何度かフェイントをかけた後に音楽を止めた。
全員が椅子に殺到し、座れなかったのはおっとり系の眼鏡女子だ。
そうやって大人し目の文系女子から順に脱落して行く。
一人ずつ人数が減り…今残っているのは、
陸上部女子と、留美と、せこい手を使っている俺。
大地を抱っこすると言うハンデを背負わされた俺は、それならばと大地を利用する事を思い付いた。


