その頃、家族が何をしているかと言うと…
母さんは急遽出したデカイテーブルに溢れんばかりの大皿料理を並べ、
キッチンとテーブルの間を行ったり来たり忙しそうにしている。
月岡と大原、ダブルの祖母ちゃんは、食卓テーブルで料理とワインを口にしながら談笑中。
祖父ちゃん達は初めはリビングに居たのだが、女子パワーに気圧され、一升瓶片手に大原家の方に避難してしまった。
父さんは…
クリスマス料理を一通り食べた後、俺の頭をポンと叩いてこう言った。
「お前って大変なんだな…
俺の分かんねぇ苦労…
流星なら何かアドバイスしてくれんだろうが、俺はこんなの分かんねぇしな…
まぁ頑張れ、俺は除雪に出掛けるからな」
手袋と帽子を手に、出て行く父さんを見ながら考えた。
父さんにアドバイスを期待していないから大丈夫。
写真の父さんは話し掛けても微笑むだけだが、
こんな時、写真の父さんならどうするかな…と考えるだけで、幾らかイライラが軽減する。
妹達は遊び相手が沢山来たと喜びはしゃいでいた。
今は女子数人に囲まれて、俺の日常について聞き取り調査をされている。
どんな遊びだよ…とツッコミたくなるが、彩香も風香もそれがマンザラでもない様子。
少々得意げに家での兄について余計なことまでペラペラ喋っているみたいだ。
後で一喝入れておこう。
末っ子の大地は…
女子に「あ〜ん」とプリンを食べさせてもらっていた。
もう何でも上手に一人で食べられる筈なのに口だけ開けて、
次はアレ次はソレと皿を指差し、食べさせて貰うのが嬉しいみたいだ。
普段は忙しい母さんに甘えても、適当に流されるしな…
甘えさせてくれる人間が来て大地には良かったのかもな…


