「流星…逢いたかった…」
「ん…俺も。
けどさ、二週間前もこうして逢いに来たばかりだよ?」
「『ばかり』じゃないよ。
『二週間も』だよ。毎日逢いに来てよ」
「ハハッ そうしたいけど、夢に出るのも色々と大変なんだよ。
それに、頻回過ぎると大樹に悪いだろ?
君と大樹の夫婦関係に、亀裂を入れたら大変だ」
「大樹は夢くらいで文句は言わない。
再婚しても紫水晶の指輪は外すなって言ってくれたもの。
流星を愛し続けていいって事でしょ?」
「そうだけどさ、それでもヤキモチ焼いちゃう時はあると思うよ?
そう言う気持ちも分かってあげないと。
喧嘩ばかりしていないで、たまには優しくしてあげてよ」
「…うん…そうだね…
あいつ、私の事大好きだもんね…
優しくする…たまに…少しだけ…」
「たまに少しだけ?
紫は大樹の前だと素直になれないよな。
それも君達らしい関係なのかな。ハハッ
さあ、今日も話しを聞かせてよ。
白紙のページに君が綴った物語。
それを聞くのが楽しみなんだ」
流星は度々夢の中に逢いに来てくれる。
そして今日も白樺の木の下で、私の話しを楽しそうに聞いてくれる。
目の前には青く光るラベンダーの丘。
空には無数の星の輝きが…
それを見ながら背中に流星の温もりを感じ、その腕に抱かれて、彼の知らない私の日常を話す。
ファーム月岡に初の海外メディアの取材が来て、従業員一同緊張しちゃった事…
来年オープンする町営の弓道場で、
弓道教室の師範をやって貰えないかと、大樹に打診が来て、
「面倒臭ぇな…」と言いつつ、大樹は密かに張り切っている事…
それから、稲田家の田圃(タンボ)に珍しい蛙が見付かり、
「新種か!?」とみんなで大騒ぎしたけど、
結局は、ただの色素変異の雨蛙だった事…
流星は笑いながら楽しそうに私の話しを聞いてくれる。
どんな話しも楽しそうに聞いてくれるけど、やっぱり一番興味を示すのは紫龍の話し……
書斎の流星の本を全て読もうとしている紫龍。
紫龍は流星に似て知能が高い。
それでも外国語の本を独学で読むには、苦労している。


