「はい、あーん」


「……一口でいいんじゃなかったの」



食べてくれた、という嬉しさから、続けてスプーンを向ける。


紺もいろいろ言いつつも、食べてくれる。


その頬が赤いのは……熱のせいだろう。




「はい、完食!」



たっぷり時間をかけて、紺は全て平らげた。


薬と水を差し出す。



すると紺は、いつもと全く変わりない笑顔で。


何かを企んだような笑顔で。





「アズ、体重くて起きれない。


 ……口移しして?」





     Fin.