仁は、こんな私を抱きしめてくれた。

だから私は思いっきり泣いた。


「 夢。一緒に頑張ろう。」


「うん。たくさん迷惑かけるかもしれない…。だけど…。ずっと一緒にいてね?
仁がいれば乗り切れるから。絶対。 」


私たちは”指切りげんまん”をした。

「嘘ついたら針千本飲ませるからね? 」

「 いーよ、いーよ
絶対約束守るから。」


いたずらっぽく笑った。


そして、仁と私はキスをした。

ベットに横になりながら。

二人で何度も何度も。


これからは、きっとキスできない。



だから、一年分ほどのキスをした。



気づくと辺りが暗くなる位に。

「 あー。やばい唇、ヒリヒリする」


「 俺も。俺も。やべぇ…
授業サボっちまった。」


「 いいじゃん!たった一日
だけだから。」


「 おう。だな。
じゃあ、明日…授業終わったらすぐ行くから。鮫斑と。 」

「 うん。待ってる」


「おう。じゃあな。 」

仁が消え去って行く
伝えること…まだあるのに。


「 仁。待って!」

「 ん?」
仁が振り返る。



「 これからも、ずっと。
ずーっと愛してるよ。」




「 知ってる。俺もな。」


そういって仁は足早に去って行く