――――――繋がれた手は離さないまま、黙って小道を歩く。やっぱり灰原のペースで、足の長さに気付け。

「…悪かった」

灰原が低い声を落とす。

「何がでしょうか」

戻ってきた春の陽気にあたしも口を開いた。

「…君って馬鹿なの」

灰原はフイと横を向く。謝る事に慣れてないんだ。当たり前か、魔王だし。

「いいんですか?」

「?」

「本性さらけ出しちゃいましたよ」

「どうでも良い」


灰原は面倒くさそうに首を掻いた後、


「色々、予想外過ぎてどーでも良くなった。…つーか、超ドぶすちゃん?」


あたしに向き直る。

「…なんですか」

また超ド級に戻りましたか。いやそれはそれで何故か安心します。