溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2




俺達は愛し合った二人で、なんの隔たりもなかった。その筈だったよね。


だけど、世界は残酷だった。


俺達じゃ到底太刀打ちできないような、壊せない壁が、運命が目の前に立ちはだかったから。


先生が消えてしまわないように、ずっと、ぎゅっと手を握ってたって。


先生の方からその手を解かれたら、もうどうしていいかわからないんだ。


「……仁斗、別れよう」


──だから、お願い。


俺の手を、離そうとしないで。






「……は?」


それはしとしとと雨の降る六月。

先生との交際は順調に続いていて、この日も普通にデートに誘われたんだと思っていた。