「もうこれからは俺達、教師と生徒って関係じゃなくなるでしょ。だったらもういいよね、付き合ってくれても」
「そういう問題じゃ──」
「先生だって俺の事、好きだろ」
知ってんだよ。
わかってんだよ。
先生が俺の事、バレないようにこっそり盗み見してた事とか。
俺と目が合ってそらした時の、真っ赤になった耳朶とか。
「私と安西君が何歳差だと思って……」
「年の差なんて関係ない。先生が例え五十歳でも先生のこと好きだよ」
「……なにそれ」
馬鹿みたい、と笑う先生に、誤魔化さないでと囁く。
「好きでしょ、俺の事」
「……っ、」
先生の顔をそっと覗けば──ほら、もう言い逃れなんかできないくらいに真っ赤な顔。
「認めるまで、離さないよ」


