漆黒の、その絶対的な煌めきを宿した瞳 を、見つけた。 雅、と思わず開きかけた唇を閉じる。 観客の人達は、王子様姿の雅に見惚れて いるようで、皆、うっとりとしていた。 手首を雅に掴まれて、ゆっくりと引っ張 られる。 交わった視線の先で、雅は、ふ、と微笑 んだ。 そして、雅はふわりと私を抱き寄せると ──。 「……お前は誰にも渡さない」 私にしか聞こえない声で、そう囁いたの だった。 .