溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2






どういうことなのか訊きたかったけど、
その時の類の表情があまりにも黒くて、
私はそれ以上その話題に触れることが出
来なかった。



一応、枚田君との台本の読みあわせは一
通り終わっていたから良かったけど……




でもこんなんで、劇なんか成功するんだ
ろうかという不安もあった。



──そして、劇の本番。



場面はもうすぐ、キスシーンに入ろうと
していた。



私は目を閉じているから、舞台がどうな
っているのかは全然わからない。



まあ、キスシーンといってもフリだし、
私はただ目を閉じていれば良いのよね、
と思っていると。



「う、うそ……!」

「え、本物!?」

「めちゃくちゃカッコいいーっ!!」



不意に、観客の方から、黄色い歓声が上
がった。



……枚田君が登場したのかな。