謝らなくていいから、どうして謝るのか
を教えてよ。
「バカ……」
どうしたって、不安なのよ。
もう誰にも、裏切られたくないし、嫌わ
れたくないのよ──……。
──そして、文化祭当日。
「わーっ!麗ちゃん、本物のお姫様みた
い……!」
「……ありがとう」
私はあのヒラヒラの恥ずかしい衣装を来
て、髪の毛もセットしてもらっていた。
フワフワと甘めに巻かれた髪の毛は、ハ
ーフアップにされている。
あの日から、枚田君とは喋っていない。
というかどちらかというと、枚田君に避
けられている。怯えられてる、という方
が正しいのかもしれないけど。
……そういえば類が、「もうあの男は、
麗ちゃんには近付けないから」とか笑顔
で言ってたけど、何か関係あるんだろう
か?


